大阪市中央区に、そこだけ時間がゆっくりと流れてきたような地域が広がる。大阪城の外堀があった付近に開けた空堀(からほり)地区。広い範囲で戦災を免れたため、細い路地が残り、古い家が静かにたたずむ。
そのうちの一つ、大正時代に建った5軒続きの長屋のうちの空き家の1軒が、昨年10月、2か月の工事で生まれ変わった。耐震性にも心を配り、壁の一部に揺れに耐える構造用合板が張られ、玄関脇の開口部には、補強のため「X」の筋交いが入った。
1棟5軒まるごとの工事ではないので、長屋全体が強くなったわけではない。ただ、この1軒は、大きな揺れにも瞬時には倒壊せず、トイレや風呂場を特にしっかり補強したので、家族でそこに逃げ込めば一家の命は助かるはずだ。
|